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今日の絵(その42)
2012年06月18日
一年以内に描いた絵ならば、しばらくたって見てみて、なんか釈然としないなぁ、腑に落ちないなぁと少しでも感じたら、あんましためらうことをせず消してしまって別の絵に描きかえてしまうことが多いです。
(今回の絵もそうやって新たに描いたものです。)
消すときはアクリル絵の具剥離材(いつかもこの場で説明しましたけど)を使うのですが、消しゴムで何回も消すと画用紙がガサガサになるように、キャンバスも傷つき擦れ、赤ちゃん肌だったのが鮫の肌みたいになってしまいます。
この鮫肌キャンバス、筆に強い抵抗があって、絵の具がとっても付きにくいです。
けど、付きにくいからといって力を入れると逆にびたっとくっ付き過ぎてしまいます。
力の加減がなかなか難しく、描き進んでいくのが物理的にとっても困難です。
こんな”重荷”を抱えながら、鮫肌に新たな人物を描いてると、不思議なことに描かれた人物も、何かしら”重荷”を抱えてるようなたたずまいになることが多いです。
消されてしまった人間の、果たせなかった思いを課せられ、それを引き受け、全うすることに自分の人生を賭しているような感じになります。
(大げさですけど、そんな感じ)
それでみんなどことなく、老いも若きも男も女も、”鶴田”度高い、陰影を帯びた顔つきになります。
鶴田度って何やねん?
といいますと鶴田真由でもジャンボ鶴田でもなく、鶴田浩二度が高いということです。
(古いやつですまん...)
なんで意識してないのにそうなってしまうのかっていったら、たぶん、そんな顔が好きなんだからでしょう。
”心ここにあらず”っていった感じの、”自分を何か自分とは別のものに放り投げてしまってるような風貌”ってのにとても惹かれるからだと思います。
(今回の曲)
Donny Hathaway「The Ghetto」
大学に通い始めて間もなくの頃、近くのレンタルCD屋さんで借りた「ソウル名曲集」に入ってたこの曲聞いて(それまであんましソウルなんて聞いたことなかった)、なんじやあこりゃあああーっとびっくりしてしまいました。
今聞いても、やっぱり、なんじゃあこりゃああああーって思います。
「でも、いったいなんでまた今頃この曲なん?」っていうと、夕方から降りしきる激しい雨によく合ってたからです。