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マンガ傑作選その67
2013年05月03日
えいごっ、は大学時代、塾で中坊相手に教えたりしてたので、そこそこはできていたのだと思う。
が、卒業してパリに暮らし始めたらだんだんにへたっぴいになってきた。
日常いつも聞いて話すフランス語が、あまり使う機会のない英語の能力を削りとっていったのだ。
つまり、自分の母国語以外の言葉=フランス語っていう具合になってしまった。
おかげで、たまに旅行や仕事とかで英語を話すときには、まずフランス語の言い回しを思いついて、それを英語に置き換えるっていう作業をやんないといけなかったりした。
しかし、今ではそれさえもほとんどできなくなった。
だって、今の暮らし、英語話す必要がないのだから仕方ない。
一方、フランス語のほうはまだまだ少しはいける。
ひとつには福岡に何人かフランス人の友達がいて、彼らとたまに会って話す機会があるからだ。
もうひとつは計8年近くフランス語圏に暮らしたので、フランス語でものごとを考えるようなとこが残っているからだと思う。
とはいっても、単語なんてどんどん忘れちゃってるし、以前はけっこう聞き取れてた仏語のニュースや映画も今ではてんでわかんなくなってしまった。
ところで、去年の夏、実家に帰省してる時、フランスの友人からたまたま電話がかかってきた。
久しぶりだったので数十分フランス語で会話をした。
母がそれを聞いていた。
「あんたー、すごかねー、フランス語、忘れとらんねー、よう話しきるねーっ」
「いやあ、そがんことなかけん、だってさー、だらだら話しとったけど、つまらん日常の事やけんね。ちょっと難しか、政治とか、そんなんになると全然だめやもん」
「あらー、そりゃいけんよう、もったいなかよー、忘れんごとしとかんば、せっかく上手に話しよったっちゃけん、また勉強しいよ」
「えーっ、よかよーっ、だっていらんもん」
「いらんって、でもほら、あんた、またパリで個展とかすることになったら、フランス語話せたが役に立つやろー」
「まあ、そりゃあちょっとは役に立つかもしれんばってん、そんな時間あったら絵を描いとった方がよかよ。絵をさ、見せたり売ったりすんのにはフランス語とか英語とか必要かもしれんけど、絵を描くこと自体には全く必要じゃなかけんね、日本語だけあればいいけんね」
「なんねー、あんた、またかっちょぶってーっ」
「ほらほら、テレビとかに職人さんとか伝統工芸の何とかさんとか出てこらすやん」
「うん」
「あがん、ものをつくる人たちってさ、たいてい黙って仕事して、ペラペラ外国語とかしゃべらんやろう?」
「ああ、まあ、そりゃあそうやけど...でもやっぱり話せんより話せたがいいやろう」
「まあね...たぶんさ、必要になったらまた自然と話すようになるちゃないやろか。でも、今はいらんもん」
「はーっ、わたしゃ、ようわからんっ、佐世保弁しかはなさんけんねっ」
「それで不自由しとらんやろ?見たところけっこう幸せに暮らしとるやん」
「あはははは...」