« DOCLOLA(その3) | メイン | マンガ傑作選その75 »
今日の絵、その11
2013年05月30日
「なんかさあ、おじさん。おじさんなのに、なんで目がぱっちりおっきいのー?」
「ええっ、そんなこと言われったってなあ...こりゃあ生まれつきだからなあ...」
「それで何か得したことある?」
「うん、ある。悪い人に見えないので人を騙しやすい」
「あーっ、うん、うん、言えてる、言えてる!」
「そうだよねーっ、それで君はまんまと騙されて、こんな森の奥まで連れて来られちゃったんだもんね」
「とほほほ...」
「”とほほほ...”ってさあ、君、知らない人とこんなとこに二人っきり、怖くないん?」
「うん。だって、おじさん、悪い人に見えないもの」
「だからさあ、これは目がおっきなせいだって...」
「ふーん」
「ほら、見てみなよ、左目の上のとこ、稲妻の形の傷とかあるじゃん」
「うん、気付いてた」
「それにさ、紅白のド派手な着物なんて着てるし...」
「それで?」
「だからーっ...なんか、普通と違うじゃん。すっごく怪しいじゃん」
「そうかなぁ...」
「えーっ、”そうかなぁ”って、そんなの困る」
「えっ、なんで、なんで?」
「あ、なんでだろう?」
「ったく、しっかりしてよー」
「ごめん...」
「で、あたしを、こんなとこに連れて来て何がしたかったわけ?」
「おお、大切なことを忘れてた...よし、もうそろそろいい頃だ...」
「...」
「あのさ」
「はい」
「空を見上げてごらんよ」
ピカッ
「わぁ...」
「これを君に見せたかったのさ」
男の名は板稲妻三郎、女の子の名は神菜リンコ。
ふたりは協力して雷電力発電所を作るのでした。