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今日の絵、その11

2013年05月30日

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「なんかさあ、おじさん。おじさんなのに、なんで目がぱっちりおっきいのー?」
「ええっ、そんなこと言われったってなあ...こりゃあ生まれつきだからなあ...」
「それで何か得したことある?」
「うん、ある。悪い人に見えないので人を騙しやすい」
「あーっ、うん、うん、言えてる、言えてる!」
「そうだよねーっ、それで君はまんまと騙されて、こんな森の奥まで連れて来られちゃったんだもんね」
「とほほほ...」
「”とほほほ...”ってさあ、君、知らない人とこんなとこに二人っきり、怖くないん?」
「うん。だって、おじさん、悪い人に見えないもの」
「だからさあ、これは目がおっきなせいだって...」
「ふーん」
「ほら、見てみなよ、左目の上のとこ、稲妻の形の傷とかあるじゃん」
「うん、気付いてた」
「それにさ、紅白のド派手な着物なんて着てるし...」
「それで?」
「だからーっ...なんか、普通と違うじゃん。すっごく怪しいじゃん」
「そうかなぁ...」
「えーっ、”そうかなぁ”って、そんなの困る」
「えっ、なんで、なんで?」
「あ、なんでだろう?」
「ったく、しっかりしてよー」
「ごめん...」
「で、あたしを、こんなとこに連れて来て何がしたかったわけ?」
「おお、大切なことを忘れてた...よし、もうそろそろいい頃だ...」
「...」
「あのさ」
「はい」
「空を見上げてごらんよ」

ピカッ

「わぁ...」

「これを君に見せたかったのさ」

男の名は板稲妻三郎、女の子の名は神菜リンコ。
ふたりは協力して雷電力発電所を作るのでした。

azisakakoji

 
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