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今日の絵、その21
2013年10月01日
「あれー、みょんちゃん、そんなとこでひとりぽっち、なにやってんのさー?」
「海、見てるふりしてるの」
「えーっ、せっかく海へ来たのに、見るふりだけかい?もったいないなー」
「あら、そうかしら」
「うん、ぜったい損してる。海へ来たんなら、ふりじゃなくてさ、ちゃんとしっかり海見ないと...」
「ふうん、そうかあ...」
「そうそう、そんなのあたりきしゃかりき!そうしてさ、できればその上さらに、裸足になって足をつけたり、飛んだりはねたりしてスカートの裾濡らしたり...そんなことするのさ」
「まあ、驚いた。あなたってやけに海に詳しいのね...」
「いやあ、普通、普通、いたって普通...そんなのだれでも思いつくことだよ」
「ああ、そんならあたしは普通ではないのかしら...」
「え?」
「ねえ、わたしって、普通じゃないのかしら?」
「ぼ、ぼくも、普通のこと、まじめに勉強したわけでもないし、かといって生まれながらに普通の才能があるわけではないんだけど、でもさ,,,」
「でも、何?」
「うん、ほら、あのさ、えっとさ...みょんちゃん、みょんちゃんったらさ、今、服着てないじゃん」
「ええ」
「丸裸にゴム長履いてるだけじゃん」
「ええ」
「今はもう10月で、夏みたいには暑くないだろう?」
「ええ...でも私はとっても寒さに強いのよ」
「うん、そうかも知れない...でもさ、季節とか気温とかそんなこと考慮にいれないとするじゃん」
「ええ」
「ほら、太陽さんさんの真夏だって、ふつう、普通だったらさ、人前では服着るだろう?」
「ええ」
「海辺でだって、まあ、水着は着るよね...だって普通だったら恥ずかしいもの」
「あら、あたしはちっとも恥ずかしくはないわ」
「で、でも、ぼ、ぼくは恥ずかしいぞ」
「え、あなた服着てるのに?」
「いや、ぼくじゃなくて、君が裸で、それを見るのが恥ずかしいのさ」
「あらあ、それじゃああたしを見ないふりして、海を見てるふりしなさいよ」
「え?」
「ふたりして仲良く海を見てるふりするのよ...」
ギーヨ、ギーヨ、ギーヨ....
「わわわわ、な、なんだー?」
「怖がらないで、あれはカモメっていう鳥よ...」
と、そんなみょんちゃんが、今回登場です。