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お知らせふたつと今日の絵(その1)

2011年12月14日

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夏の個展が終わり、またやおら新しい作品を描き始めました。
ここ数年、おっきなものに取り組んでいたので、今度はちょっと休憩という感じで、小さな作品をちょこまか一年くらい描いていくつもりです。

さて、絵を描いて見てもらうようになってから今までは、数ヶ月にわたって密かに描きためたものを年に一回の個展の時、おりゃあー、といっきに公に(ぷっ、おおげさな...)展示しするという方法をとっていたんですが、今度からは、絵日記みたいに、描き上がったはなから「今日はこんな絵描きました」という具合にこの場所で紹介していこうと思います。
そんな風に来年の夏までずっとやって、夏になったら個展して、描いたそれらの現物を見ていただこうという企てです。

なんでかっていうと、
その1)なんとなくそうしたほうがいいんじゃないかと思った。
その2)先の個展のとき、先輩がやってきて「おまえ、なんや、ブログ、いっちょん更新せんやんか、おれ、せっかく行って、いつもがっかりするとぜ」と言われた。
で、そんなに言われたって、そう書くことあるわけじゃあないし、こまったなあ、でも絵は毎日描くので、その絵をのっけることで、彼の期待にちょっとでも答えよう、とそう思った。

と、こういうわけで今回からけっこうひんぱんに見ていただくことになる作品についてですが、画面の中、どこかにドクロのマークがあることが多いです。(今回のはないですけど)
これは、いつかもこの場でお話しましたように、人骨の研究をやってる長崎の友人(早く赤ん坊の顔がみたい...)が常日頃「アジサカさんの頭蓋骨はよかー、縄文人そのままの形ばしとらす、美しかー、いつかぼくにぜひ譲ってください、うふふっ」と言ってることに端を発したもので、いわばサインの代わりです。
その他にこれといって特別な意味はありません。

あと、登場人物のどっかに傷があったり、絆創膏や包帯してる絵が多いです。
もともとそんな傾向があるので、よく「何でですか?」って聞かれます。
そしてたまに50半ばくらいの女の人から「これは、心に負った傷の象徴なのでしょう?」とか「この女の子はリストカットされたのですね...」などと言われたりします。
まあ、そうかもしれませんが、どっちかっていうと、あわてて出かけるとき玄関でずっこけたり、ガスコンロの裏に落っこちた里芋ひろおうとして鍋に触ってやけどしたり、無理に猫なでようとしてひっかかれたり、とまあそんな方が近いです。
マンガでいうなら丸尾末広の少女に巻かれた包帯というより、ちばてつやのマンガの主人公が「まあ、石田くん、ケンカするの今週何回目!?ふう...」と保健室の先生にため息つかれながらバチン!「いててて...」と貼られる絆創膏に似ています。

でも、ほんとういうと意味なんていうのはいつも後付けで、絆創膏とか描く一番の理由は、描き手、すなわち自分自身の感覚的なものです。
つまり、たいていはひとまず絵が全部仕上がったあと、まずはその部分の画面の絵の具をカッターナイフで削り落とし、その後、傷なり絆創膏なりを描き入れるんですが、これがやっててとても心地いい。
ふつう、日常生活においては何に対してもできるだけ「キズをつけない」ように用心するってのが習わしなので、いったんは完成したものをガリっと勝手気ままに傷つけるという、その手応えが快いのかもしれません。

おそらくはそれとおんなじ理由ですっすっと指すべらせるだけのタッチパネルというのが苦手です。
パチンと押すスイッチだとか、ガチッと引くレバーだとか、そんなので作動するスマホがあったらいいのにさ...

あ、それと、キズがあると、描かれた人物になんとなく深みがでるような気がします。
これは実際の人間でもおなじですけど。

さて、いらん説明が長くなりましたが、そんなこんなで紹介していく「今日の絵」シリーズ、そのいっとう最初を飾る冒頭に掲げた絵は、10月に描いたものです。

その頃は秋だっていうのに、夏みたいに暑くて、それでなんでか無性に寒さが恋しくなったので、こんな絵を描いたのだと思います。
”正月に津軽の実家に帰省した飛行機乗りの青年”の絵です。
(勝手にすこしだけ写真家の小島一郎に捧げてます)

ところで、はなしは変わりますが、福岡は薬院っていうとこに友達が地道にやってる「亜廊」っていうギャラリーがあります。
今度、そこのオンラインショップでオリジナルグッズの販売をはじめました。
今んとこ、ポストカードとバッヂだけですが、おいおい品数を増やしていこうと考えてます。
まずは近日中にトートバッグを作る考えです。
(オンラインショップへはこのサイトのトップの画面から行くことができます。)

今回の歌
松崎ナオ「雨待人模様」
松崎ナオ「川べりの家」

ずいぶんと前、デビュー曲がラジオから流れてきて、わあーとびっくりして以来ずっとCDが出たら買って聞いてます。
二つ目の映像の岸田森の顔がすばらしい。

azisakakoji

 
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