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今日の絵(その4)

2011年12月20日

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11月になり、もういいかげんカレンダーの制作にとりかからないと去年の二の舞になっちまうと焦っていたとき、イタリア帰りの友達からタコの缶詰をもらった。オリーブオイルに漬けたやつだ。
これ幸いとちょっとばかし高い白ワイン買って、日が暮れたらアンチョビもケッパーもあったのでプッタネスカを作った。
それ食べた後、ゆっくりタコつつきながらワイン飲んでると「地中海あたりでタコ獲ってる漁師ってのはどんなんだろう」?と思いはじめた。
それで、酔っぱらいながら資料集めて安心して寝て、陽が明けたらさっそく描きはじめ、数日してでできたのが上の絵です。

頭の鉢巻きはシルク100%で、ぜんぜん陽に焼けてなくてひ弱な感じですが、実はそうでもなくて彼独りで家族6人を養ってます。
腕の入れ墨は自分で彫ったもので、中世の人なので変な髪型。
「あ、そういえばあさって一番下の妹の誕生日やった...何贈ろうかな...」と船の上で思案してる状態です。

ところで、タコ漁師といって思い出すのは土本典昭の映画「水俣ー患者さんとその世界ー」だ。
大学2年のとき、視聴覚室で”勉強”のため見せられたんだけど、映画そのものにまったくもって魅せられてしまった。
その一本で、いきなり映画の見方が変わってしまった。というか豊かになった。
(それまでは、”お茶漬けの味”がわかんなかった小暮実千代みたいなもんだ。)

何かがきっと性に合ってたのだろうが、さっそく教授に頼み込み、研究室にあったその他の土本作品のビデオも借りて立て続けに見たんだけど、そのどれもにとても強く心を揺さぶられた。
それがきっかけで20代、映画をたくさん見るはめになった。

「水俣ー患者さんとその世界ー」には、タコそっくりの風貌のタコ漁師が登場する。
彼が、獲ったタコを腰に巻いた金具にひっかけ海の中をゆらゆら歩くんだけど、その時の映像、キラキラ輝く不知火海のひかりがすばらしい。
その後、けっこう映画見たけど、これ以上に美しいひかりには出会えなかった。

今回の曲
Boris Kovac 「Winter Song」

最初に彼のCD聞いたときにはバルカン半島の伝統音楽かなんかと思ったけど、大学で教鞭もとるセルビアの作曲家で、自分のバンド率いてサックス、キュルキュル吹きまくったりもしてます。
この曲はめずらしく静かな曲で、しんみりとなります。

azisakakoji

 
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