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マンガ傑作選その114

2014年01月25日

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「あれってカツラじゃないそうだけど、ほんとう?」
「うん。あたしこの前の慰安旅行のとき見たもん」
「えーっ!」
「いっしょに温泉はいったんだ。髪洗うの手伝ってあげたの」
「とてつもなく長いんでしょうねぇ...」
「そりゃあ長いってもんじゃないわよ。先輩の背丈のゆうに3倍はあったわ」
「ひゃあ、さ、さ、3倍!」
「シャンプーもリンスも一本丸ごとつかったのよー」
「わあ」
「乾かすのなんて、修学旅行に来てた高校生達に手伝ってもらったんだから。脱衣場にさ、羅臼昆布みたいに伸ばして、タオル何枚も使って水気をとって、その後ドライヤー全部使って一斉にゴーッて...」
「ひょわぁ、大変だったのねえ...」
「ところがそれからがまた一苦労...髪を女帝ヘアにまとめるのがそりゃあ大仕事だったわ。女子校生たちじゃあ頼りにならないってんで、仲居さんや近所の奥さん達に来てもらって総出で...」
「わあ...」
「2時間くらいかかっちゃった...」
「そうでしょうねえ...」
「あたしもう、ヘトヘトになっちゃって、そのまま宴会パスして部屋帰ってお布団に倒れ込んじゃったんだ...」
「あー、だから丸尾さんあの時、いなかったんだ...」
「うん。しかもさ、翌日は翌日で、身体のあちこちが筋肉痛で...」
「ほんとに大変だったのねえ...」
「ええ...」
「でもさ...」
「え、何?」
「たしか先輩って独身で一人暮らしでしょ?毎日どうやってんだろう、あの髪型?」
「うん。全部ひとりでやってるんだと思う」
「ぎょえーっ!」
「そこが、女帝の女帝たる所以よ...」

azisakakoji

 
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