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ポーリーヌ「2016年カレンダー(その2)」
2015年12月20日
ある朝、ポーリーヌが目覚めると、
どこからともなくこんな声が聞こえてきた。
「晴れた日のお前の責任は重大だ」
ええええー、なによ、いきなり、なんなのよいったい...
洗濯物は干されるのを
海は飛び込まれるのを
花は摘まれ
束ねられ
捧げられるのを
今や遅しと待っている
陽に照らされたものどもが
口々にでかい声で叫びはじめる
早く来い早く来い
今日が晴れなら早く来い
聞こえるだろう
おまえは何をぐずぐずしているのだ
おれはこうしてりっぱに晴れているのだぞ
この晴れの晴れたその責務を課せられてるのは
ただひとり
お前だけなんだぞ
ぎゃーっ。
それを聞いて彼女はびっくり仰天した、のだが同時に、そりゃ役目を、責任を、果たさねばならぬと強く思った。
で、とりあえずすぐにできるこをした。
つまり、汚れた服やタオルや布巾を洗って干した。
おまけに布団も干した。
その上さらに、昨日買った大根を千切りにして、それも干した。
腹がすいたのでクッキー食べた。
海へは行かなかった。
真冬で寒くて飛び込んだら風邪引くと思ったからだ。
花は?
じゃあ花はどうしたのかというと、野原にかけて行って摘んできた。
都合の良いことに春でもないのに花をいっぱいに咲かせる野が近所にあるのだ。
で、上に掲げた絵はそんな彼女の姿を描いたものです。
熊本のブティック、チャイナチャイナのオリジナルカレンダーに使われています。
福岡では奇特な店長の好意によりパルコ新館6階のフタバ図書で販売されています。
数に限りあり!
B2サイズで800円(ちょっと高くてすまん)です。
それはさておき、ポーリーヌ、その花束、いったい誰にあげるのさ。
それはあなたが自分で決めなさいよ。
と、そんなポーリーヌが最近ぞっこんなのが、凍てつく寒さもいっきに吹き飛んでしまうよなモンゴルのコイツらだ!
2分40秒を過ぎたあたり、「とぅわあぉっ!」という雄叫びとともにすさまじいスピードで草原を疾走しはじめる。
かきならされる様々な弦楽器にホーミーが参入し、聞くものの身体は高ぶりぶりまくりだ。
(今回の曲)
Hanggai 「Xiger Xiger」