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再び今日の絵(その1)

2012年10月21日

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昨日からはじまった企画展、絵箱を5つ作ってみたものの、それだけじゃあ展示するのになんとはなし寂しいよなぁ、ということで、並べた絵箱の背景にと比較的大きな絵を描きました。
それが上の絵です。
題名があるのですが、それがけっこう長いです。
むかし見た映画で、森崎東監督の「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」っていうのがあったのですが、それよりかもっと長いです。(主演は倍賞美津子でした。彼女の声、とてもいいですよね)

「あなたは、これで私をまんまと縛り付けたつもりでいるけど、それは短見というものよ。私はいつだってこのピアノ線を断ち切って逃げることができる。でもそうしないのは私がここにこうしていたいから。今のところはね」

うわ、ほんとに長っ....

今回の曲
高田渡「銭がなけりゃ」

ときどき必要にかられてこの映像を見る。
見ると安心するからだ。
かつてこのようなたたずまいの若者が存在していたということ、こんな風に小さな花みたいに笑い、吹雪の中の針葉樹みたいにすっくと立ち、野良猫みたいな眼でまっすぐに前を見てた若者がいたということ、それを確認できて心が落ち着くからだ。
天神なんか一日中歩いても、今はこんな風な若者には巡り会いはしない。
けど、数十年前にたしかに存在していたのなら、数十年後にまたあらわれる可能性がないわけじゃあない。
そんな希望をこの彼の姿、とりわけその眼は、もたらしてくれる。

しかし、ほんと、なんちゅういい目つきやあ...

以下、彼が好きだった詩人の一遍。

「猫」山之口貘

蹴つ飛ばされて
宙に舞ひ上り
人を越え
梢を越え
月をも越えて
神の座にまで届いても
落つこちるといふことのない身軽な獣
高さの限りを根から無視してしまひ
地上に降り立ちこの四つ肢で歩くんだ。

*あ、ささいなことなんですが、このサイトのトップページの絵、昨日から寒い季節用に変わりました。

azisakakoji

 
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