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マンガ傑作選その14
2012年10月29日
以前暮らしてたベルギーの名物料理に「うなぎのハーブ煮」っていうやつがある。
人参とかキュウリを輪切りするみたいに、うなぎを骨付きのまんまブツブツ切って、鍋にぶち込み、いろんなハーブ(と、ほうれん草)で煮た料理だ。
申し訳ないが、ちっともうまくない。
どこにいようが日常はたんたんと静かに暮らしてるので、”胸がかきむしられる”というような思いってのはあまりしない。
けど、この料理を食べた時には(訳あって3回も!)そういう思いをとっても強くした。
うううううううううう....、こんなんじゃなくって、蒲焼きにしたのが食べたいいいいいーっ!
と身体全体で乞い願い、ぶるぶると震えた。
あんまし声を大きくして自分の国を自慢するのは好まないが、うなぎの中骨を取り除き、串を打ち、素焼きした上で、さらに醤油、みりん、砂糖、酒を混ぜ合わせたタレをつけて焼く、ってのを考えだしただけで、くうう...おれらの先祖はすごいぜ、と思ってしまう。
あ、でもビールはほんとう、日本に比べあっちは桁違いにうまいです。
今回の曲
ちあきなおみ「夜へ急ぐ人」
よく知られてるように、この一曲の得体の知れない凄みで、その年の紅白歌合戦のお祭り気分は、会場もそしてお茶の間も一瞬にして吹き飛んでしまった。
「な、な、なんなんだこれは!?」
彼女が歌い終わるや開口一番、司会者の山川静夫は「なんとも気持ち悪い歌ですねぇ」と言い放ち、この年を最後に彼女の8回続いた紅白連続出場は途切れてしまう。
名ばかりの合戦の場に、彼女ただ独り真剣を持って向かっていったわけだ。
本当の戦だったら、白組も赤組も全員その手でぶった切りだ。
表現者たるもの、こうでなくちゃあならん、ってこれ見る度、気が引き締まります。