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マンガ傑作選その100

2013年10月29日

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ずいぶんとむかし、ププっていう名の女の子が主人公の4コマ漫画を福岡のタウン誌に連載(後で単行本になった)してたんですけど、今回はマンガ傑作選100回記念ということで、久々にそのププが登場する新作マンガを描き下ろしてみました。

投稿者 azisaka : 17:10

DOCLOLA(その8)

2013年10月23日

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えーっ、やだなあ、ひさしぶりに会ったのに...ていっても三日ぶりだけど...何で怒ってんのさ?

怒ってなんかいないわよ

いやあ、そのたたずまい...くぼんだ眉根、への字に結んだ口、いからせた肩、かたく閉じたひざっ小僧...どー見たって怒ってる、憤慨してる、ぷんぷんしてる、とさかにきてる...

怒ってないってば

じゃあ、証拠見せてくれよ

あーん、あなた証拠なんてもんがないと、あたしの言う事が信じられないの?

いやあ、そういうわけじゃ...

だったらどういうわけよ

なんかさあ、言葉以外にも、なんかさあ、具体的なさあ...目に見えるものがさあ...

あいかわらず、ちっともはっきりしない人よねえ、あんたって

ごめん、ごめん、ほんとにごめん

...ったく

チュッ

これでどう?

わあ,,,

何よ

ニ、ニラの臭いが...

あーっ、そうなのよーっ、さっきのお昼、無性に餃子が食べたくなって、材料あったんで、ぱぱっと20個作ったのよーっ

あー、食べたかったなー、おれも

それでね、半分は焼いて、半分は水餃子にしようと思ったの

うん、うん、妥当なかんじだな

最初は、焼き餃子にしたの...おいしかったなあ...

あー、いいな、いいなー

ところがさあ、焼いたの食べ終わって、水餃子を作ってたら、電話がかかってきたの...

あー、それ、おれだー、久しぶりに、っていっても三日ぶりだけど、きみの声を無性に聞きたくなったんだよなー

うん、そう、あんたからの電話...あたしうれしくって...

30分くらい話したよなあ...

うん、30分くらい話した...けっきょくあんた午後のバイト安んでここに来ることになって...うれしかったなあ...

うん、そうそう、それでおれ、今ここにいる

で、電話を切って、はっと気がついたら、、餃子ぐちょぐちょじゃないのよーっ!
食事時に電話かけてくる男なんてサイテーよーっ、まったくーっ

あーっ、それで怒ってたのかーっ

怒ってないってーっ


って、怒ってんのかうれしいのかよくわかんない、台湾出身のミンちゃんが今回登場です。


投稿者 azisaka : 21:35

マンガ傑作選その99

2013年10月22日

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投稿者 azisaka : 12:19

今日の絵、その23

2013年10月21日

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ママン、ママン、ママン、マンゲツ
母さん、今宵は満月だ
妹がジョニーの子を孕んだ
これからそっちへ連れて帰る
ジョニーあいつは流れ者
こいつを幸せにはしやしない

ママン、ママン、ママン、マンゲツ
母さん、今宵は満月だ
弟がキツネの実を食べた
これからそっちへ連れて帰る
キツネあいつはいかさま師
こいつを幸せにはしやしない

ママン、ママン、ママン、マンゲツ
母さん、今宵は満月だ
ぼくはきれいな人に出逢った
これからそっちへ連れて帰る
きれいな人は貧しい人
ぼくらを幸せにするはずだ

ママン、ママン、ママン、ママンゲツ
ママママ マッシャローナ
タリラリラララー
ははははーん

と、でたらめな歌を歌いながら運転するケンジくんと、それを聞いて「兄ちゃんの歌、へんてこだなぁ...つうか、ジョニーって誰よ?」と思ってる妹の史枝ちゃんが、今回登場です。

投稿者 azisaka : 13:58

マンガ傑作選その98

2013年10月18日

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この他、
「明日の参観日、おれは行けないけど、代わりに息子が行けるから」
「おお、SON CAN 日!」
っていうのもあります。
どちらも、さほどおもしろくなくてすみません。

投稿者 azisaka : 07:24

向井先輩

2013年10月16日

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小3の時、
遠足に持って行くおやつはたしか300円までだった。

昭和の真ん中、がきんちょにとって300円といったらたいそうな額である。
それを一度に菓子につぎこむことができるというのだから一大事だ。

当時のいなか町のこと、菓子の種類も商店の数も今みたいに多くはない。
どこにどんな菓子がどんな値段で売られているのか、子供らはみな一様に通じている。

他人と同じようなものを買ったのでは面白くない。
しかし、食いたいものは皆似通っている。
手持ちの金も菓子の種類も限られている。

どんな菓子を選んで買ってリュックにつめるのか。
与えられた条件の中でいかに己が”おやつ選択”能力を発揮するか...
それは、小学生がまだつるっとした額に皺よせて真剣に考えねばならぬ重大事のひとつだった。

選んだ菓子の内容によって、その人間の器量が計られるのだ。
算数が上手とか、鉄棒が上手とか、ものまねが上手とかいうのと同じくらい、おやつ選びが上手というのは子供に高い価値をもたらした。

このような訳なので遠足の前日は、当日に比べても遜色ないくらいの特別の日だった。
自己を世に認めさせる格好のチャンスとばかり目を血走らせ、小坊どもが駄菓子屋やスーパーを駆け回った。
そんな彼らの熱気で小さな町の夕刻はいつになく大いに活気づいた....


と、その時分の状況説明がずいぶん長くなっちまったぜ、すまん。

これから本題に入ります。

さて、その年(つまり小3の時)の秋の遠足のこと。

どうゆう経緯かまったくもって忘れたが、なぜだか弁当の時間、同級生5、6人に加え5年生の先輩がひとり混じっていた。

秋空の下、わいわいみんなでおしゃべりしながら弁当を食べた。

弁当を食べ終わった。

いよいよ、おやつの時間である。

みないっせいにおやつ袋を取り出し中身を広げた。

「ふん、ふん、おまえは菓子そのものより、おまけを重視したのだな...」
「ほほう、おれも同じやつを買おうとしたが、おとつい入荷の新しく出た味の方にしたぜ...」
「うううっく...箱入りクッキーの一点もので勝負か!」
「けっ、君は勉強はできるがおやつ選びについては劣等生だな...」
「じゅ、十円の駄菓子を30個!!!」

と、こんな風にやってたらなぜか、3年生の中に一人混じってた5年生の向井先輩が、持ってきたおやつを黙って静かに取り出した。

彼は中肉中背中顔中力、勉強も運動も飛び抜けてできるわけじゃないし、服のセンスがいいわけでも、話しが面白い訳でもない。
どっちかといったら目立たない、どうでもいいような先輩だった。

その、どうでもいい向井先輩、
なぜだかひとりだけ3年生に混じって弁当食べてた上級生、
彼のおやつが、すごっかった。

「おおおおおおおーっ!」
「そうか、そんな手があったのかーっ!」
「こういう選択もありなのかああああ...」
「5年生というのはなんて大人なんだ」
「ううううう、うまそうだーっ」
「おみそれしましたーっ」

そこに居合わせた3年全員がほんとうに感心してしまった。
ほんとうに感心してしまったので、その出来事だけで、その先輩の名前も顔も、今だにはっきりと憶えている。
そうであればこそ、わざわざこの機会にこうして彼のことを書いているのだ。


向井先輩は、なんと「さんまの蒲焼きの缶詰」を、”おやつ”として持って来ていた。

持参した缶切りでゆっくりと開けて、指で摘んで、あーん、ぱくん...
そりゃあうまそうに食べた。

その様子をぽかんと口開けて見つめながら、自分らの手にするチョコやクッキーやポテトチップスが、ものすごくちゃちなもの見えてしまった。


向井先輩についての想い出はそれだけだ。
彼の、缶を切る手つき、手元を見るまなざし、さもおいしそうに頬張る表情、いまでもありありと思い出すことができる。
けれど、それ以前も、それ以後も、彼についての記憶はまったくもって残っていない。

今頃どこでどうしてるんかなあ...
おやつ選びの才能は彼の人生の中、どこかで役にたったんだろうか...

さんまの蒲焼き缶詰食べる度、そうでなけりゃあ、ちょっとした機会、こんな風にひょっこりと彼のことを思い出す。
思い出したら、こころの端っこに花が咲く。
美しくもないし、香しいわけでもない、向井先輩と似た、どうってことのない花が咲く。

どうってことない花なんだけど、その花びらで、こころはやさしく撫でられる。

投稿者 azisaka : 09:06

マンガ傑作選その97

2013年10月14日

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投稿者 azisaka : 22:16

マンガ傑作選その96

2013年10月11日

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数年前、博多は長浜の有名店でラーメン食べてたら、入って来た初老の男が、のれんをくぐるなり「生!」といってテーブルについた。

その深みのある声に一瞬気をとられた。
けど、「ははん、おっさん、ここには瓶ビールしかないぜ」と心の中でつぶやきながら、また自分のラーメンに集中して食べ続けた。

が、数秒後、はっと気がついた。
つうか、どっからどう見てもこの店の常連であるその男のたたずまいが、否が応でも気付かせた。

”生”とはビールのことではなくて、麺のことなのだ。

「やわ!(柔茹で)」とか「かた!(固茹で)」とかいう注文はラーメン屋にいれば普通よく耳にする。

しかし、「なま!」は初めてだった。
けっこうおったまがった。

間もなく、男は運ばれてきたものを無表情で、ズバズバすすって食べ始めた。

これは、言うなればラーメンの刺身みたいなもんだ。
紅しょうがなんかより、本わさびとかがふさわしい勢いだ。

うまいんかなあ...
彼にはきっとうまいのだろう。

投稿者 azisaka : 21:33

マンガ傑作選その95

2013年10月10日

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投稿者 azisaka : 14:36

今日の絵、その22

2013年10月09日

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こんな朝早くどこ行くん?

猫をさがしに

いなくなったん?君の猫...

ううん、あたしのじゃない
あたしは、猫と暮らしてない

じゃあ、誰の猫?

私の猫

え?

私が今から暮らす猫
竹林の中へさがしに行くの

雨が強く降ってる

ええ、だから、ちょうどいいの
こんな風な朝には竹林で子猫がにゃあにゃあ泣いてるものよ

ふうん、そんなもんかなあ

そんなもんよ

あなたもいっしょに来る?

いや、ぼくは行かない

じゃあ、せめて名前をつけてよ、私の猫に

うん、わかった、ええと...
モロ

モロ?

うん

いい名だわ、ありがとう

投稿者 azisaka : 15:12

マンガ傑作選その94

2013年10月08日

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投稿者 azisaka : 07:04

マンガ傑作選その93

2013年10月07日

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投稿者 azisaka : 06:26

グループ展のお知らせ

2013年10月05日

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今日から始まるグループ展に、絵箱5つとアクリル画を2枚出品しました。
(あ、上の絵は展示作品とは異なります)

今回の展示は「少女採集」という名なので、それにふさわしい作品をいくつか持って行きましたが、もしこれが「子猫保護」だったり、「おっさん生捕り」とか名のついたものだったら、それはそれでそんな絵を持って行ったと思います。
(後者はあんまし見たくないでしょうけど...)

詳細は以下の通りです。
「少女採集 vol.4」
会場 ギャラリィ亞廊
期間 2013年10月5日(土)~27日(日)の金土日月曜日のみ
営業時間 13:00~19:00(月曜のみ13~17時) 
※12日(土)のみ16時まで
入場無料

アジサカの他10名が展示していて、そりゃあ見応え十分です。
弁当とか持って、ピクニック気分で乗り込もう!

投稿者 azisaka : 08:53

マンガ傑作選その92

2013年10月04日

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投稿者 azisaka : 07:54

マンガ傑作選その91

2013年10月03日

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投稿者 azisaka : 08:00

今日の絵、その21

2013年10月01日

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「あれー、みょんちゃん、そんなとこでひとりぽっち、なにやってんのさー?」
「海、見てるふりしてるの」
「えーっ、せっかく海へ来たのに、見るふりだけかい?もったいないなー」
「あら、そうかしら」
「うん、ぜったい損してる。海へ来たんなら、ふりじゃなくてさ、ちゃんとしっかり海見ないと...」
「ふうん、そうかあ...」
「そうそう、そんなのあたりきしゃかりき!そうしてさ、できればその上さらに、裸足になって足をつけたり、飛んだりはねたりしてスカートの裾濡らしたり...そんなことするのさ」
「まあ、驚いた。あなたってやけに海に詳しいのね...」
「いやあ、普通、普通、いたって普通...そんなのだれでも思いつくことだよ」
「ああ、そんならあたしは普通ではないのかしら...」
「え?」
「ねえ、わたしって、普通じゃないのかしら?」
「ぼ、ぼくも、普通のこと、まじめに勉強したわけでもないし、かといって生まれながらに普通の才能があるわけではないんだけど、でもさ,,,」
「でも、何?」
「うん、ほら、あのさ、えっとさ...みょんちゃん、みょんちゃんったらさ、今、服着てないじゃん」
「ええ」
「丸裸にゴム長履いてるだけじゃん」
「ええ」
「今はもう10月で、夏みたいには暑くないだろう?」
「ええ...でも私はとっても寒さに強いのよ」
「うん、そうかも知れない...でもさ、季節とか気温とかそんなこと考慮にいれないとするじゃん」
「ええ」
「ほら、太陽さんさんの真夏だって、ふつう、普通だったらさ、人前では服着るだろう?」
「ええ」
「海辺でだって、まあ、水着は着るよね...だって普通だったら恥ずかしいもの」
「あら、あたしはちっとも恥ずかしくはないわ」
「で、でも、ぼ、ぼくは恥ずかしいぞ」
「え、あなた服着てるのに?」
「いや、ぼくじゃなくて、君が裸で、それを見るのが恥ずかしいのさ」
「あらあ、それじゃああたしを見ないふりして、海を見てるふりしなさいよ」
「え?」
「ふたりして仲良く海を見てるふりするのよ...」

ギーヨ、ギーヨ、ギーヨ....

「わわわわ、な、なんだー?」
「怖がらないで、あれはカモメっていう鳥よ...」


と、そんなみょんちゃんが、今回登場です。

投稿者 azisaka : 21:14